トリプル安の衝撃
こんにちは 2代目お坊っちゃん社長の田澤です。
トリプル安とは、債券安、通貨安、株安が同時に起きる
現象で、ギリシャ危機以来の様相なっています。
コロナで傷んだ経済に、ロウ戦争の返り血を浴びた格好です。
一体欧州はどうなっていくのでしょうか?
トリプル安の構造
今回は資源高によるインフレが一番の大敵です。
インフレ率は米国を超えて10%に迫る勢いで、
収まる気配がありません。
当然、欧州中央銀行は利上げを決断し、インフレ
を抑えにかかります。
金利が上がると、反対に債権価格は下がるので、
債権安となります。
しかし、金利が上がれば通貨高になるので、普通は
通貨が調整弁となり、資金が欧州に戻り、利上げに
よる景気後退に対抗する形となります。
そして、公共事業や給付金ばらまきなどの
財政出動が行わるのが、一般的です。
今回は、ドルが高すぎるため、欧州中央銀が金利を上げても
ユーロ安がとまらず、トリプル安になるとう論理です。
EU制度の矛盾
こうなると結局、ギリシャ、イタリアなどの経済基盤が
弱い国の国債価格が大きく下落し、利払いができずデフォルト
になると騒がれてしまいます。
つまるところ、EUの制度が矛盾を含んでいるからです。
EUはひとつの国ではありません。
金融政策と通貨⇒EU
財政政策⇒各国
という2面性を持っています。
通貨コントロールと金利の利率の調整はEUの中央が行い、
具体的な景気刺激策などの財政行為は各国で行うのです。
特に景気後退面において、南欧が金融政策と財政政策が
ちぐはぐになり、危機に陥りやすい構造となっています。
つまり、国債の価格が下落して利回りが上がれば、
通貨高になり、輸入価格が下がるため、貿易黒字要因になります。
すると、国債の信認が上がり、利回りが下がり、財政が安定化
することで、思い切った財政政策(ばらまき)ができるのです。
このメカニズムがEU内で機能しないのです。
困ったものです。頭の良い方が修正してくれるのを祈ります。
日本は、対岸の火事と捉えずに、円の存在感を増しておき、
世界にインパクトが与えられる規模で金融政策と財政政策の
2つの手段を保有しておくべきです。
我々企業は、円を強くする活動を取るべきであり、会社の
ROEを強くすることで、給与を上げ、早く日銀が利上げを
できる環境を作れるように努力しましょう。
経営はシビれますね!!