国債金利上昇は絶対ない、はホント?
こんにちは 2代目お坊っちゃん社長の田澤です。
2022年4月17日のサンデーモーニングで、
コメンテーターの方が、
『インフレになっても金利を上げられない(これは政策金利のこと)
何故なら、国債の金利が上がると、歳出が膨張して財政が
成り立たないから』と話されていました。
だから、日銀は利上げもできないという理屈です。
もっともらしい論説ですが、本当にそうなのでしょうか?
プライマリーバランスは実質的に守られていない
私の前のブログで記載しましたが、
2020年予算成立時
歳出・・・約102兆円
そのうち税等収入・・・69兆円
補正予算後175.7兆円
2021年予算成立時
歳出・・・約106兆円
そのうち税等収入・・・63兆円
補正予算後142.5兆円
これが現実です。
税収に対して、支出が2.5倍~3倍に膨れ上がっています。
当然、国の借金、国債で穴埋めしています。
全然平気という不思議
普通の会社なら倒産ですが、日本国は何ともありません。
普通なら国債が暴落して、金利が上がり、国債の利払いで
さらに支出が増えるという理屈になります。
2021年予算では歳出総額106.6兆円のうち、
国債費(償還及び利子払い)が23.8兆円(22.3%)
となっています。かなりの部分を占めてますよね。
ここを切り取ると、『日本が沈没する!』ということになるの
ですが、沈没どころか、国債の金利が0.1%→0.25%へ
上がっただけです。
今起こっている現象を見ると、、
・プライマリーバランス(歳出/歳入の均衡)の欠如
・国債の乱発
によって、日本が破綻することはなさそうです。
国債は誰が保持しているのか?
仮に国債の利子が30%とか50%になったとしましょう。
国はその利子を誰に払うのでしょうか?
令和3年12月末での国債の保有高
合計1074.2兆円
日本銀行・・・516.2兆円
銀行等・・・154.2兆円(実質は国民の預金)
生損保・・・218.2兆円(国民の掛け金)
※財務省のホームページから
言えることは、殆どが『身内』に持ってもらっている
ということなのです。
国債の金利が上がって、国から日本銀行に高い利子を支払っても、身内で
お金が回っているだけです。
お父さんの財布のお金が減って、お母さんの財布に入ったということです。
結局は日本の中でグルグルとお金が回っているだけです。
そもそも日本銀行はお金を無限に生み出すことができるので、国から利子を
もらっても、勘定はするものの、あまり意味がないです。
銀行保有の国債に高い利子がつけば、回りまわって預金者である国民の
預金金利が上がるでしょう。
一番気にしなければならないのは、外国人が大量の国債を買うケースです。
この場合は、国富が海外に流出するので、金利が上がると、日本の地位低下の
危険性が高まります。今はほぼ気にしなくて良いです。
コメンテーターがしゃべること、メディアの論説には、色々な角度で見ると、
正解だったりそうでなかったりするので、複眼的な視点を持ちましょう。
中小企業の経営者として、不安をあおるようなメディアの表現を見かけたら、
慌てるのではなく、冷静に分析して、ご自身の事業を見つめなおすことが
大事です。焦ってはいけません。
(因みに、金利が上がると、銀行借り入れ金利が上がり、お金を借りて
事業をする人のマインドが落ちます。不景気時に限る。)
長くなるので、この辺りで筆を止めます。